現代貨幣論とは自国通貨建で借金できる国は、過度のインフレにならない限り、借金が膨れ上がっても問題ないという理論です。
今回は難しい内容ですが、大事な理論になるので読んでいただけたらと思います。
この現代貨幣論は近年大きな話題を呼んでいます。
そもそも、国がなぜ借金をするのか
国というのは税収で運営しています。
その税収が足りないと、国債を発行してお金を借ります。
国債とは、借金の証明書です。
例えば、100万円を貸してくれたら、101万円にして返すという内容になります。
日本はその国債の発行量が年々増加しており、現段階で約1200兆円の借金があります。
ただ、日本の借金のほどんどは自国で賄っています。
理由は、日本が通貨発行権を持っており、日本銀行がお金を刷ってくれるからです。
そのため、現代貨幣論では、自国通貨建で借金できるなら返済は何年後でも問題ないという内容から、つまり借金を返済しなくてもいいという考え方になってます。
その考え方によって、借金し放題ということになります。
それが「現代貨幣論」です。
現代貨幣論に基づいた3つの考え方
お金が誕生した理由はぶつぶつ交換から始まったと言われています。
いわゆる、「商品貨幣論」と呼ばれている考え方です。
足りないものはぶつぶつ交換でやり取りしてましたが、金や銀などの貴金属が交換手段になりました。
そして、金や銀も面倒になり、持ち運びが簡単なお金が誕生したと言われています。
ただ、この説はここ最近になって違うのではないかという意見があります。
理由は、ぶつぶつ交換で貨幣が生まれた根拠がないからです。
なので、現代の市場取引は信用と負債の関係で成り立っていると言われています。
それが「信用貨幣論」と呼ばれています。
信用貨幣論
「信用貨幣論」は貨幣は負債によって生まれるという考え方です。
わかりやすい例だと、クレジットカードが信用と負債で成り立っています。
クレジットカードで支払う際には、その場でお金を支払うことはしませんが、個人の信用を使って、翌月に支払うことが可能です。
まさに信用と負債で成り立っています。
銀行も「信用貨幣論」で成り立っています。
銀行からお金を借りる際は、その人の信用によってお金を借りることができますね。
お金を銀行に預けるのもそうです。
預けたお金は、銀行が貸し出しをしています。つまり、私たちが預けたお金を銀行が借りています。
私たちが銀行を信用してお金を預けたことによって、お金が生まれましたね。
機能財政論
今までは、税金は財源であり、持っているお金の範囲内で生活をしてきました。
また、税収の範囲内で政治をしましょうという考え方です。
ただ、現代貨幣論では、税収で国を黒字化するよりも経済の安定の方が大切という考え方に変わってきています。
それが「機能財政論」です。
内政的貨幣供給論
今までは、日本銀行が市場のお金をコントロールするというやり方でデフレ対策をしてきました。
日本銀行が民間銀行の国債を買い取ることによって、世の中にお金をばら撒いてきましたが、それをしてもお金を借りてくれる人が増えないという結果になりました。
その結果に伴い、日本銀行では市場のお金をコントロールすることができないと判断し、そもそもお金を借りたいと思わない限り、お金を借りてくれる人は増えないという考えになります。
そのためには、社会情勢を良くしていかないといけないという「内政的貨幣供給論」に現代はなっています。
まとめ
現代貨幣論では3つの考え方に基づいて成り立っています。
この考え方は、まだまだ誤解が多いと言われています。
ガンガン借金をすべきという解釈はしないでください。
正直、現代貨幣論は難しいです。まだまだ深掘りしていく必要があります。
ここまで読んでいただきありがとうございました。